2024/02.25

(仮)日記I

胃の周りに重油が纏わりついてるような不快感に襲われる。

何かが食道を逆流してくるような感覚、ミミズみたいな寄生虫が何百匹も蠢いて身体中を這いずり回っている。

嗚咽を繰り返しても、胃液が唾液か分からない液体が排出されるばかりで、不快感は一向に消えてくれない。どうやら、具現化した絶望を呑み込んでしまった。

太陽の形、星の降った夜、雲海のような朝靄を、私は、忘れてしまった。唯一、残された記憶は、常夜灯のような暖色のライトに照らされ、生温い羊水のような液体にぷかぷかと浮かんでいる記憶。これはきっと胎児の頃の記憶だ。私が夢の中にいた記憶。あの時、へその緒を噛みちぎって自殺していれば、25年間の生涯で受けてきた罰も受けずに済んだのだ。

ふと、今思い出したことがある。小学生の頃、俺が産まれる前に、母は一度、流産したと聞いたことがある。あなたには兄がいたんだよって、優しく言われた。当時の私に、理解出来るはずもなく、兄貴欲しかったなくらいにしか思わなかった。今はその存在していた筈の兄に、羨ましさみたいな嫉妬心が芽生えている。こんなファックな世界を見なくて済んだのだから。清廉で純潔なまま、天国にいけたんだ。傍ら弟の私は、地獄を這いずり回りながら、また地獄に向かっている世界を漂流している。

コメント

タイトルとURLをコピーしました